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2023-08-24

こんにちは。アダムス睦子です。

 

 

先月に続き、今日も皆さんに「時間管理」についてお話していきたいと思います。

 

 

先月は、時間管理を意識していく中で、説明を尽くすことの重要性やそのメリット等をお話しましたね。その一方で、時間管理のツールである手帳やノートに関して、全くそれらの必要性は皆無であると体現してきた夫が、「ある日突如としてノートを使い、手帳を使いだすようになったのはなぜなのか」というお話について、今回は詳しく説明していきたいと思います。

 

 

今日の内容を読むことで、「時間管理にもいろいろなパターンや在り方がある」とわかると思います。

 

 

そしてご自身が日常に当たり前のように使用しているノートや手帳と向き合うスタンス、そこからアウトプットされる成果について今一度立ち止まって見るきっかけになればと考えます。

 

 

さまざまなメソッドや有名なフレームワークも存在している「時間管理」ですが、私が毎月お話ししていく「時間管理」にまつわるお話は確立された体系にのっとったものではありませんので、今日のお話もひとつの参考やひとつの視点として読んでいただければと思っています。

 

 

手帳やノートを使う必要性はない、むしろ使いづらいものだったわけ

私の夫は、5歳でプログラミングを開始し、幼稚園時代にコンピューターグラフィックスを創り出していた、いわゆる「デジタルネイティブ」です。けれど、年齢は現在40代ですから、デジタル世代の恩寵というわけではなく、ただ単純に「幼いときからパソコンが身近にあり、ペンを持って紙に何かを書くことより、タイピングしたり、マウスを操作したりするほうが馴染みのある子ども」だったわけです。

 

 

馴染みがあるのはいいですが、そのため、そもそもペンを持って紙に「書くこと」に慣れていない、つまり速記ができない。考える速さとそれをアウトプットする速さが、文字を書く速さに追いつかない。ペンを持って書くうちに考えたことを忘れてしまう。

 

 

これらが理由で、物心ついたころから、書くことが好きではなかったそうです。

 

 

小学校時代になっても、スケジュールは全て頭にインプットして管理するという方法をとっており、考えたこともタイピングで記録していた。それで問題なく時間割りや宿題などのスケジュールをこなせていたそうです。

 

 

そんな中、20代後半で結婚し、妻である私から、スケジュール帳をプレゼントされても、正直どう使えばよいのかわからずにいた、というのが本音のようでした。

 

 

人を変える理由は2つだけ ~インスピレーション&デスピレーション~

その後、子供も生まれて「ザ・混沌ライフ」に突入、さらに企業勤めのサラリーマンから起業し1年、2年・・と経つ中で、ある変化がでてくるのです。

 

 

それは、「あまりに多いマルチタスク」を同時にこなす必要性と、「記憶力の低下」です。

 

 

後者は思わず少し笑ってしまいますが、本人はいたって真剣に、「子供が生まれて夜間のお世話などを交代で行う中、睡眠時間も減っていくと、ゆっくりと確実に記憶力が落ちていった」とのこと。それでも子供の成長は待ったなし。そして彼らは成長とともにタスクも増えていく。

 

 

一方で、有難いことですが株式会社をおこした中で、ビジネスも多角的に増えていく。自分自身だけのことを考えればよかった時代とは一線を画したフェーズに突入していくと、複雑な管理が増え、パラレルに動く必要が出て、小さなものや重要性が低いものから自動的に忘れるようになったそうです。

 

 

夫の言葉を借りると「人を変える理由は2つしかない。1つはインスピレーション、もう1つはデスピレーションだ。」ということ。後者のデスピレーション、つまり、小さなことから忘れた場合の後始末が大変すぎる、こんな大変ならもっとしっかり前始末をやっておかないと今のままでは回らないぞという「デスピレーション=絶望」から、手帳やノートを使い始めるように・・すなわち、「子どものころからタイピング優勢だった生き方に、ペンを取り入れるという変化」を能動的に取り入れたということになります。

 

 

十人十色でいい「時間管理」~あなたの主語は何ですか~

夫は、ノートや手帳を使って、私と全く同じようにすべてのタスクや期限を書き込む戦法を初期に試みたそうです。同時に、中長期的なスケジュールにおいてはガントチャートも作成してみた。

 

 

一度すべてをトライしていく中で、書く必要のあるもの、書く必要のないものが明確になって取捨選択の振り分けの工程を経て、今は、さらに効率の良さを追求し、書く必要のあるものだけをノートや手帳に書くという戦法に進化させてきたそうです。

 

 

ここでポイントなのは、夫の時間管理の「主語」はあくまで「自分」ということ。

 

 

わたしは今まで、時間管理は人を巻き込み、説明を尽くして納得度をあげたうえで周りの力を借りて、結果的に達成するように持っていくという文脈でお伝えしてきましたが、それはあくまでわたしの主語が「着地するため」の「時間管理」だからであると、私も気づいた瞬間でした。

 

 

人とともに協働していく中で、たどるルートは自分一人の想定とは異なっても、着地として達成できれば結果オーライとお伝えしてた所以です。夫のやり方、私のやり方、それぞれのパーパスが存在する時間管理の解釈と理解からくる、それぞれの戦法があってよいという例にもなります。

 

 

夫の「時間管理」は、主語が「自分」であるなか、書く必要があるのかないのか精査する工程を経ることで、一人で出来ないタスクは一目瞭然になり、タスクを一人で抱え込みがちなことも明らかに減っていきました。それによって私たちのパートナーシップのコミュニケーションの理解も早まったと感じます。

 

 

さて、ある日を境に夫が変化したきっかけとなる出来事、それは月並みですが「新年」でした。

 

 

子どもも11歳になり、起業して9年程経った「新年」だったのを覚えていますが、それまですべてのタスクはパソコンのスケジュール管理に入れていたそうです。それでも取りこぼしが出てくる。そこで一念発起した、というようなニュアンスでした。

 

 

年末に新しい手帳やカレンダーを新調するかたは多いと思いますが、毎年私が傍らで手帳を買うタイミングで、「それほどまでにプラクティカルならトライしてみよう。興味はないし好きではないけど、もしかしたら自分のやり方に新風を吹き込むかもしれない。」とふと思ったそうです。

 

 

日常の出来事や年末年始などの節目など、身近なきっかけにピンときて、長年のやり方から「やってみようじゃないか」と軽やかに翻っていける夫を見ながら、私自身も夫から学ぶところが多々ありました。

 

 

今まで長い間このやり方でうまくいっていた、または「うまくいっていると信じたい」から無意識のうちに変えたくない方向に乗っていること。変えたら過去の自分にペケをつけるようで怖い事。そんな視点でみても面白いかもしれませんね。

 

 

今回のコラムはいかがでしたでしょうか。最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

それではみなさん、また次月に!

 

 

 

 

時間管理アドバイザー

アダムス睦子

 

この記事のライター

企業戦士 フードコーディネーター

アダムス睦子

リケジョから1部上場の大手食品企業のバリキャリへ。現在、ゆるキャリにシフトチェンジを目指しつつ、イギリス人夫・3人の子ども達とバイリンガルの日常を送る。 紅茶&イギリス菓子マリアージュ研究家。
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