2023-11-18
こんにちは。栄養士カウンセラー秋吉香里です。
だんだんと寒さが厳しくなってきて鍋の美味しい季節になってきました。鍋といえば最近はスーパーにたくさんの「鍋の素」がスーパーに並んでいます。それを使うことももちろんいいのですが、ダイエット的にもお財布的にもたまには家にある調味料を使って、美味しくシンプルな鍋を作るのはいかがでしょうか?
鍋で食べるメリット
鍋料理は、これひとつで野菜とお肉が一度に食べられるのもうれしいですよね。そして、たくさんの種類を作らなくても、バランスが取れるので作る側としてはとても楽です。また具材の旨みもスープに閉じ込めて食べられるので、栄養も満点です。近年、鍋の素はたくさん発売されておりますのでさらにお手軽に作れるものでもあります。しかし、市販の鍋の素は美味しいですが、値段が高かったり、ダイエット的にはデメリットもありますので、把握した上でうまく取り入れられると良いです。
今日は、野菜がたっぷり食べられて栄養満点の鍋を作るために「お家で作る鍋の素」レシピをご紹介します。肌寒い日にはあったか~い鍋を囲んで、体の芯から温まりましょう♪
市販の鍋の素、ダイエット的にはちょっと注意が必要なものも・・・
美味しいし、たくさんの種類が出ている鍋の素。たまに使うのは良いものの、頻度が多いと種類によっては「糖質の摂りすぎ」や「甘味を求める舌(味覚が甘味に寄る味覚)」になる可能性もあります。
鍋の素のを買うときに、裏面の原材料を確認したことはありますか?
原材料表示は使用量の多い順に記載されています。鍋の素の原材料を見ていただくとよくわかるかと思いますが、意外と「砂糖」や「果糖ぶどう糖液糖」など糖質が前の方に書いてあるものも多いです。ということは、砂糖を使っている量は割と多いということになります。
調味料なので、そんなにたくさん使っているわけでもないだろうと思うかもしれません。でも、習慣的に摂っていると意外と吸収率が高かったり、味覚が甘味を求めるようになったりすることにも繋がります。(甘いものを求めるスイッチが入りやすくなったり、お菓子を食べていないのに、と思っていてもお菓子級の糖質を摂っていることになっているかもしれません。)
特に糖質の中でも「果糖ブドウ糖液糖」などの液体の糖質は体に吸収されやすく、血糖値が上がりやすいのです。また甘みという強い刺激を求める舌からも卒業できず、やがて、もっと刺激のある甘いものが欲しくなる場合もあります。ですので、家にあるシンプルな材料でお好みの鍋つゆを作ることは身体にも優しいですし、お財布にも優しいのです。
おすすめの鍋具材
ダイエット的にオススメな鍋の材料としては以下の①から③は必ず入れたい食材となります。
①野菜
②きのこ
③タンパク質(肉、魚、豆腐など)
④締めにおススメな炭水化物
①野菜
緑の葉物野菜やごぼう、にんじんなどの根菜類を入れましょう。冷え対策には特に「根菜類」がオススメです。よく鍋に使われる野菜を代表的なものは以下となります。キャベツは特におすすめです。根菜類も何か1種類でも入れられると体も温まります。
★キャベツ・・・淡色野菜の中で最もビタミン・ミネラル(カルシウム、鉄、硫黄など)を含む。特に硫黄には胃腸浄化作用があり、老廃物を分解・浄化の作用がある。
★白菜・・・約95%が水分と決して栄養価が高いわけではないが、ビタミンC以外に鉄・マグネシウム(カルシウムの吸収に必要な成分です)・カリウム(塩分を体外に排出する働きをします)を含んでいる。
★もやし…浮腫みに、二日酔いに、口の渇きに、解毒作用
★にら・・腰の冷えに、食欲不振に、疲労回復になる。
★ネギ…発汗作用、風邪の初期症状に、冷え性に、胃腸の働きを整える
★体が温まる食材!根菜類
根菜類(ごぼう、大根、にんじん、蓮根など)土の中にある食材は冬が旬で、体を温める効果があると言われています。それは水分が少なく、ビタミンC、Eや鉄などをはじめとするミネラルを多く含むものが多いため。 ビタミンEは血行促進作用、ミネラルはタンパク質が体内で活用されるのに必須で、タンパク質は血液や筋肉を作る素となり、体温を維持するのには必要不可欠です。冷え解消の優れた効果も期待できます。
代表的な根菜…ニンジン、ダイコン、カブ、ゴボウ、サツマイモ、ヤマノイモなど。
地下茎類…ジャガイモ、サトイモ、レンコン、ショウガなど。
地下鱗茎類…タマネギ、ニンニク、ラッキョウなど。
根菜類の中でも、際立って温め効果の高い食材がショウガです。
生のショウガは強い殺菌効果を持っているので薬味に最適ですが、体を温めるなら、熱を通す食べ方の方が断然効果的です。熱を通すとショウガ特有の辛み成分“ショウガオール”が胃腸を刺激して血行を促進し、体の芯からじわじわ温めてくれます。
②キノコ類
キノコに含まれる栄養成分は種類によって違いますが、ビタミンDやビタミンBのビタミン類、カリウムやリン等のミネラル類が含まれています。 ビタミンは人間に必要不可欠な栄養素。 リンは骨や歯の材料に、カリウムはナトリウムを体外に排出する働きがあります。 低カロリーで高栄養食品。また水溶性食物繊維も豊富なので、便秘の改善にもつながると言われています。
③たんぱく質
肉や魚や豆腐などのタンパク質を入れることで良い出汁がわりにもなります。たんぱく質は皮膚や筋肉、爪や髪など身体のあらゆる組織を産生するのに欠かせません。これら以外にも酵素やホルモン、免疫力を高める抗体を生成する役割も持っています。健康を維持するうえで、毎日欠かさず摂取したい栄養素です。毎食欠かさず食べたい「タンパク質」ですが食べすぎてしまうと脂肪になり、不足すると機能低下にも繋がります。目安としては1食100g程度となりますので、毎食適量を摂れると良い食材です。
また、たんぱく質を構成するアミノ酸の中には体内では作られない「必須アミノ酸」が含まれています。その必須アミノ酸をバランスよく含んでいるのが「お肉」です。お肉の中でも特に鶏肉にはこの必須アミノ酸がバランスよく含まれています。
★鶏肉・・・タンパク質が豊富。必須アミノ酸である「メチオニン」が含まれています。メチオニンには肝臓の毒素を排出し、肝臓機能を高める効果が期待できます。特にお酒をよく飲む人におすすめの成分です。肝臓に脂肪が貯蓄するのを防ぐ役割もあるので、肝脂肪の予防にも期待できます。
また部位によっても栄養素が違いますがタンパク質含有量はもも肉がいちばん多いです。
美肌を保つうえで欠かせない「コラーゲン」は、肌の真皮(しんぴ/表皮の内側にある層)を生成するのに重要な役割を持っています。鶏肉のなかでも特に手羽にコラーゲンは多く含まれています。コラーゲンを摂取することで肌の潤いやハリ、弾力を保つことができますし、骨粗しょう症の予防や髪・目・血管などの老化防止も担っています。手羽を鍋で煮込んで使えば、コラーゲンを余すことなく摂取できちゃいます。
疲労回復に効果的と言われている「イミダペプチド」は胸肉とささみ肉に含まれます。
★豚肉・・・滋養強壮に、肌の乾燥に、喉の渇きに、便秘に、ビタミンB1を多く含み、疲労回復、脳神経の働きを正常に保つのに役立ちます。鶏肉や牛肉などの他の肉類と比べても、5〜10倍のビタミンB1を含んでいるといわれます。
(タンパク質に関する関連記事はこちら)
④締めにオススメな炭水化物
締めはラーメンやうどん、ご飯などありますが。ダイエット目線で行くと「ご飯」が一番メリットが多いです。お米には小麦粉製品製品にはない、食物繊維や肌に潤いを与える「米セラミド」という脂質もあるので便秘解消や肌艶など気になる方には締めは雑炊がダントツのオススメです。
シンプル鍋の素を作る
先ほどお話ししたように、鍋にすると野菜の栄養素がスープに流れ出るので、おいしさを閉じ込めたまま薄味で飲めると栄養がうまく取り入れられます。あまり塩味など濃い味付けではなく、出汁の味を濃くして旨味を利用した味にするとスープを飲んでも塩分過多でむくんだりすることなく、体にも良く美味しくいただけます。
今回は、和風醤油ベース、中華、味噌味の3種類の鍋スープのレシピをご紹介します。
鍋スープ 3選
具材はお好みのものを入れてください。できればたくさんの種類の食材を少しづつ使えると満遍なく栄養が摂れるのでオススメです。
スープは辛味が欲しい場合は豆板醤やキムチなどを入れたり、変わり鍋が良い場合は豆乳などをプラスして自分だけのカスタマイズ鍋を楽しんでもらえたらと思います。
①和風醤油ベース
(材料)4人分
水 1200m l
出汁昆布 10cm
だしパック(または顆粒だし、または白だし)1袋
(顆粒だしや白だしなら小さじ2位)
みりん 60cc
酒 50cc
醤油 50cc
(作り方)
①お水に出汁昆布を入れて沸騰したら出汁昆布を取り出す。
②だしパックを入れてさらに5分ほど煮る
(お好みでだしパックはここで出しても入れておいてもOK)
③残りの調味料を入れて材料を入れる
②中華風ベース
(材料)4人分
水 1000ml
酒 大さじ2
みりん 大さじ2
鶏がらスープ 大さじ3
醤油 大さじ2
ニンニクチューブ 1cm
しょうがチューブ 3cm
③味噌ベース
水 1200ml
醤油 大さじ4
ニンニクチューブ 大さじ1
しょうがチューブ 大さじ1
みりん 大さじ2
体も温まり、作る手間も省ける「鍋料理」をうまくメニューに取り入れていきましょう。
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栄養士カウンセラー
秋吉 香里