2023-05-21
こんにちは。アダムス睦子です。
私からは、これから皆さんに「時間管理」についてお話していきます。時間管理については、〇〇式「時間管理」術や◎◎の「時間管理」方式など、このトピックだけで実に様々なメソッドが世の中に存在していますし、有名なフレームワークも存在しています。
これから私がお話ししていく「時間管理」は、そのような有名なメソッドを推奨している方々、実践を継続する方々にとっては箸にも棒にも掛からないものかもしれません。したがって、そのような場合にはこれからのお話はとばしていただき、それ以外の場合でもひとつの参考やひとつの視点として読んでいただければと思っています。
「時間管理」の言葉のワナ
時間管理と聞くと、皆さんはどのようなイメージを持たれるでしょうか。1日24時間があって、それが年間365日続く。誰もが平等にあてがわれている時間を有効的に効率的に使って、最大のパフォーマンスを生むために何をどのように遂行すべきか・・というようなイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか。
あれもしなければならない、これもしなければならない、もっと時間が欲しい、もっと時間があればあれもこれもできるのに、どうやって「時間を生み出そうか」。もしこういうことを頻繁に思うという方は、まず最初にこの「時間管理」という言葉のワナを知ってほしいのです。
英語で時間管理は「Time Management」と言います。ただ、英語では「管理」とは言っていないのですよね、もし私たちの持つ最大公約数的なニュアンスで語るのであれば、大きな流れを方向付けしながら設定し、制御できるものに対して使う「Control」を使った「Time Control」という表現が非常に近しいものになります。
ではなぜ一般的な直訳は「Time Management」というのでしょうか。
「Management」は、ガチガチと一挙手一投足見ているというより、ウマ~くみんなの力を寄り集めて大きな流れにのせて「やってもらう戦法」というニュアンスが近くなります。すなわち、一言でいうと「終わり良ければ総て良し」ということ。あらゆる分野、あらゆる事柄で、自分一人で制御するというよりも、なんとなくいつのまにか結局出来たよね、という緩いニュアンスが近くなると思います。
24時間働けますか?
昭和から平成に移り変わるころだったかと思いますが、私が子どものころ、とあるCMがありました。「24時間戦えますか」というフレーズが頭に残る、モーレツに働けるビジネスマンを後押しする某栄養ドリンクのCMです。
高度経済成長期の日本は、働いたら働いただけ給与も上がってきましたが、その陰には「君はこの会社の為に24時間働けるか?」「ハイ、もちろんです」という暗黙のディールが存在していました。
つまり、冒頭でお話した「どうやって時間を生み出そうか」という思想はそもそも社会通念上希薄で、あるタスクを完了するまでは24時間働くことも厭いません、それを「完了」することが社会的に評価に値しうることであると同意します、という概念が社会の大部分の面積を覆っていたと私は思うのです。
もちろんそのころの定年である55歳まで、次々と新規事業やタスクをやり続け、次々と完了してさらなる改善をしていった。その愚直さと粘り強さが戦後の日本の土台になったことは火を見るよりも明らかでしょう。
ただ、そこから過労死やハラスメント、様々な社会問題が浮き彫りになってきて、やっぱりちょっと間違っているよね、身体壊したら意味ないもんね、私たちがやりたいことって何だっけ、そもそもなんで24時間働いてきたんだっけ、ああそういえばやればやっただけ給与が上がったもんね、それでいろいろな自由や、物理的な幸せの恩寵を堪能できたんだよねと人々が思い出してきたのです。
こうして「より多くを得て、より高く位置することが絶対的な成功であり幸せだ」と言われていた概念に少しづつメスが入り、今は女性も社会的に活躍しなさい、男性も育休を取りなさい、リカレントをして80歳まで働くことを目指しなさいと社会が大きなうねりとともに変革していく中で、「時間を生み出そう」すなわち受動的に言われるままに動くのではなく、主体的に動いていこうという思想が根付いてきたと思うのです。
時間管理はズバリ根回し!
私の思う「時間管理」でまず出てくるキーワードは「根回し」です。もちろん、単純に時間を知らせるものであれば目覚まし時計もキーワードとして適しているかもしれません(笑)。
倍速で幼稚園や保育園のお迎えにいき、倍速で夕飯を作って、倍速で自己研鑽をして、余暇を楽しんでいるスーパーウーマン、スーパーマンがいると思いがちですが、実際はそんなわけはありません。
皆、必死で水面下で足を搔いているのが実情で、その必死で水面下で足を掻いているとは何を隠そう「倍速で夕飯を作っていること」ではなく「根回しをしている」と思うのです。これは私のような企業勤めの女性にだけ当てはまる話ではなく、独身男性でも起業家でもいえることで、時間管理をするには一人の力ではうまい着地ができないことが多いと思います。
例えば、急に自分の上位者(雇用主、委託主、派遣元、上司・・etc.)にむちゃぶりをされたとしましょう。そのときは口ではスムーズに対応をしつつも、心では悪態をついている・・なんてことは誰でも一度はあるかと思います。このように、誰もが急な展開には拒否反応を示すものですから、前もって少しづつインプットしていきます。これが「根回し」です。そして時間管理の醍醐味は「一人でやろうとしないこと」だと私は思うのです。
いかがでしたでしょうか。次回からも、時間管理にまつわるトピックスをお伝えしていきたいと思います。
それではみなさん、また次月!
時間管理アドバイザー
アダムス睦子