2023-09-14
こんにちは。
栄養士カウンセラー秋吉香里です。
秋の美味しい食べ物が誘惑して、体重が増えていませんか? 秋は「食欲の秋」とも言われ、美味しい食べ物がたくさん出回る季節です。その魅力に負けて、ついつい食べ過ぎてしまい、体重が急上昇することがあります。ですから、油断は禁物です。
秋に太りやすい理由の一つは、「夏バテの反動」です。夏の暑さで食欲が減退し、冷たい食べ物や飲み物を摂ることが多いため、胃腸の動きが鈍くなり、栄養の吸収が低下します。秋になり涼しくなると、食欲が戻りますが、体は栄養が不足している状態です。
そのため、体は夏に不足した栄養を補おうとして、食欲が増加し、脂肪を蓄積しやすくなるのです。この状態は、ダイエットでいうところの「リバウンド」と似たようなものです。
では、秋太りを防ぎ、冬に向けて体重を増やさないためには、どのような対策が必要でしょうか?
今回は「秋太りの原因と対策」についてご紹介します。食欲の秋を楽しむ一方で、余分な脂肪を蓄積しないように、しっかりと対策を取りましょう。
秋太りの原因
まず、秋太りの原因を理解することが重要です。なぜ秋に太りやすいのでしょうか?
1、温度の変化
夏から秋にかけて、気温が下がり始めます。体温が下がると、身体はエネルギーを生成し、体温を維持するために多くのカロリーが必要となります。そのため、寒さに備えて食欲が増すことがあります。
2、日照時間の変化
秋になると日照時間が減少し、日光にさらされる時間が短くなります。日光はセロトニンとメラトニンといった神経伝達物質の生成に影響を与え、気分や食欲にも影響を及ぼすため、日照不足が食欲増加に関連していると考えられます。
3、季節食材の収穫
秋は多くの美味しい季節食材が収穫されます。これらの食材は栄養が豊富で、身体が必要とする栄養素を提供します。季節食材を食べることで、身体はエネルギー源として必要な栄養を摂取しようとするため、食欲が増すことがあります。
4、生活リズムの変化
季節の変化に伴い、生活リズムも変化します。特に夏の終わりから秋の始まりにかけて、休暇や祝日が増え、社交的な活動やイベントが増加します。これにより、食事や飲酒の機会が増え、食欲が刺激されることがあります。
これらの要因が組み合わさって、秋に食欲が増すことがあります。ただし、適切な食事のバランスを保ち、運動を続けることで、健康的な食欲の管理が可能です。
秋太りの対策
では、秋太りを防ぐための対策は何でしょうか?
1、バランスの取れた食事
美味しい秋の料理を楽しむ際に、食事のバランスを考えましょう。野菜を豊富に摂り、過剰な油や糖分を避けるよう心がけましょう。
2、適度な運動
寒さが増す季節でも、運動を怠らないようにしましょう。ジョギングやウォーキングなど、屋内でできる運動も検討してみてください。
3、食べる前に水を飲む
食事の前にコップ一杯の水を飲むことで、食事量を調整しやすくなります。過食を防ぐ助けになります。
4、小分けにする
料理を小分けにして、過度な摂取を防ぎましょう。また、自分の食べたいものを少しずつ楽しむことで、満足感を得られます。
5、心地よい休息
ストレスや不眠は過食の原因となることがあります。適切な休息を取り、ストレスを軽減しましょう。
秋の美食を楽しむために、これらの対策を実践して、太らずに体型を管理しましょう。美味しい秋を存分に楽しむために、健康を守ることが大切です。
簡 単に取り組める具体的で効果的な方法3つ
次に具体的な方法を3つご紹介します。
1、毎日の食事を可視化してみる(現状把握)
秋太り防止策として、日々の食事を記録することをおすすめします。毎日の食事をメモに書き留めることで、食事全体を可視化することができ、食べ物の無駄遣いや栄養の不足、野菜不足、脂っこい食事の習慣など、多くの気づきが得られます。
食べていないつもりでも実はすごく食べているとか偏っているなど、食事の改善点が明白になり、行動しやすくなります。
「揚げ物が多いので、次回の食事はヘルシーな選択肢を考えよう」
「肉ばかり食べていたから、次は魚を選んでみよう」
「丼物は栄養バランスが悪かったので、次回は定食スタイルで栄養をバランスよく摂ろう」
「少し食べ過ぎたから、次回は量を調整しよう」
こうして少しずつ食事を改善することで、過食や栄養不足の解消につながり、メモを取る習慣そのものが食事への意識を高め、自然と食欲をコントロールできるようになります。
このとき、日々体重も記録しましょう。体重の変化を記録することで、どの食事が体重の増減に影響するか、その傾向が分かります。手書きノートやスマートフォンのメモに記録するだけでなく、食事を記録できるアプリを使うのも便利です。好きな方法で試してみてください。
秋の食欲が高まる季節に、食事をコントロールするためのメモの習慣を取り入れて、しっかりと自分の食べるものを管理しましょう。
2、リラックスタイムを作る
リラックスタイムは食欲抑制に繋がるのでアロマを楽しんだり、 読書をするなど、好きなことをして心身をリラックスさせる時間を設けましょう。日照時間が減りイライラや憂鬱が溜まりやすくなる秋には、 こうしたリラックスタイムを設けることが食欲の抑制に繋がります。
3、ゆっくりと入浴する
シャワーで済ませずに38度程度のぬるめのお風呂にゆっくりとつかりましょう。体を温めるとともにリラックス効果もあり、体を睡眠モードに切り替える効果があります。ぬるめのお風呂につかると副交感神経が優位になりますが、熱すぎるお風呂は交感神経を優位にするので気をつけましょう。
秋に取り入れたい旬の食材
秋に取り入れたい旬の食材をいくつかご紹介します。
・根菜類・イモ類
秋になると、里芋、れんこん、さつまいもなどの根菜が旬を迎えます。これらの食材はエネルギー源として重要なでんぷんや他の糖質が豊富に含まれています。特に里芋には高血圧予防に役立つとされるカリウムが豊富に含まれ、低カロリーなイモ類の代表と言えます。れんこんにはビタミンCと食物繊維が豊富で、カリウムやカルシウムも含まれています。さつまいもも食物繊維やビタミンCが豊富で、栄養価が高いです。また、これらの根菜は体を温める効果があるとされ、冷え性の改善にも役立ちます。
・きのこ類
きのこ類は、腸内環境を調整するための食物繊維を豊富に含み、さらにビタミン類やカリウムも豊富に含まれています。特にしいたけに多く含まれるビタミンDは免疫力を向上させ、細菌やウイルスに対する抵抗力を高める効果があります。しめじも食物繊維が豊富で、ビタミンDも含まれています。また、まいたけにはビタミンやミネラルに加えて、免疫力を高めるβグルカンが多く含まれています。さらに、なめこの特有のぬめりは、消化吸収を促進し、肝臓の機能を助ける効果があります。
・さんま
さんまは、秋の美味しい食材の代表格で、不飽和脂肪酸の一種であるDHAやEPAが豊富に含まれています。これらの栄養素は、血液をサラサラにし、動脈硬化を予防し、中性脂肪を低下させる効果が期待されます。さらに、ビタミンB12もたっぷり含まれており、貧血の予防にも役立ちます。
では、今回は秋の食材を使ったメニューを2品ご紹介します。
【さつまいものバター焼】
甘いお菓子を食べる前に、甘いお菓子を甘いさつまいもに置き換えて変えてみましょう!
【材料】
さつまいも 1本
バター10g
塩 少々
【作り方】
①さつまいもの皮を剥いて、短冊に切る。
ラップをして串が通るくらいレンジで温める(4−5分)
②フライパンにバターを引いて、①で火を通したさつまいもの表面がパリッとするまで焼く
③塩を軽く振って出来上がり
きのこの炊き込みご飯
なめこやしいたけなどのきのこ類は、水に溶ける性質を持つ水溶性食物繊維を豊富に含んでいます。 水溶性食物繊維は、便をやわらかくする、善玉菌を増やし、腸内環境を整えるなどの効果が期待できます。きのこをふんだんに使うことでデトックス作用も期待できます。
【材料】3合分
お好みのきのこ(しめじ、しいたけ、えのきなど)お好みの量(合わせて両手いっぱいくらい)
油揚げ 1−2枚
にんじん 1/2本
みりん 大さじ11/2
酒 大さじ11/2
白だし 40ml
【作り方】
①お米を洗う
②調味料を先に入れる
③炊飯器の3合のところまで水を入れる
④具材を入れて炊く
正しい対策で秋太りを防ごう
さて、いかがでしたでしょうか。 美味しいものの誘惑が多い秋は確かに太りやすい季節です。 しかし、太りやすくなる原因を理解し、 正しく対策すれば決して太ることはありません。
年末年始など、体重を増やさずに乗り越えるためにも、秋から食欲をコントロールする方法を習慣化し、秋太りや冬太りに立ち向かるための対策をしっかりと行いましょう。
栄養士カウンセラー
秋吉 香里